値上げの時代に、A5和牛を出し続ける仕組み|ニクノトモシビが券売機を選んだ理由

「外食 値上げ 2026」「コスパ いい店 群馬」と検索しているあなたは、外食のたびに価格が上がっていくことに疲れを感じているのではないでしょうか。

群馬県伊勢崎市にある伊勢崎”唯一”のハンバーグ専門店「ニクノトモシビ」は、A5ランクの国産和牛を使いながら、平日ランチ1,800円から楽しめるお店です。この記事では、なぜそれが可能なのかを、外食業界が置かれた状況とあわせて見ていきます。

外食の値上げは続いている

2022年頃から続く外食の値上げは、2026年に入っても止まっていません。報道によれば、2026年度は外食企業の約6割が値上げを実施したとされています。

理由は複合的です。食材費だけでなく、人件費、物流費、光熱費のすべてが上昇しています。加えて、コメの価格高騰や円安による輸入牛肉の値上がりも重なりました。鶏肉相場の高騰、いわゆるチキンショックの影響で、メニューの休止や食材変更を迫られた店もあります。

値上げしたくてもできない構造

一方で、飲食店は値上げに踏み切りにくい業種でもあります。ある調査では、飲食店の価格転嫁率は28.7%と、全業種の中でも最下位クラスとされています。

つまり、コストが上がっても、その分を価格に反映できていない店が多いということです。背景には「値上げすると客が来なくなるのではないか」という不安があります。結果として、値上げするか、品質を下げるか、我慢するかという難しい選択を迫られることになります。

消費者側にも「値上げ疲れ」

値上げが続く中で、消費者の側にも変化が起きています。何を食べても高いという感覚が定着し、支出に対してより慎重になってきました。

その結果、外食は二極化が進んでいると言われます。「高くても行きたい店」と「もう行かなくていい店」に分かれていくという構図です。価格に見合う価値があるかどうかが、これまで以上にシビアに問われる時代になりました。

ニクノトモシビが選んだ道

こうした状況の中で、ニクノトモシビは明確な方針を掲げています。券売機によるセルフオーダーシステムを導入し、接客にかかる人件費を抑え、その分を食材の品質に還元するという考え方です。

これは公式にも明言されている方針です。お客様に券売機での注文にご協力いただくことで、浮いた分をハンバーグの美味しさに回す。どこを削り、どこに投資するかをはっきりさせた選択と言えます。

削る場所と守る場所を分ける

コスト上昇に直面したとき、店が取れる選択肢はいくつかあります。価格を上げる、量を減らす、食材のグレードを下げる、あるいは別のコストを削る。

ニクノトモシビが削ったのは、注文を取るという工程でした。そして守ったのが、肉の品質です。A5ランクの国産和牛と厳選した牛タンを使い、肉は毎朝店内で挽き、注文が入ってから一つひとつ手で成形する。牛肉100%でつなぎを使わないという作り方も続けています。

どこを守るかが明確だからこそ、削る判断もぶれずに済むのでしょう。

おかわり無料を維持する意味

コメの価格が高騰している中で、ライスを8杯まで無料でおかわりできるという仕組みを維持しているのは、なかなかのことです。

さらに、ハンバーグ自体も1個おかわり無料が付いてきます。牛タンハンバーグは100g×2個に加えて1個のおかわりが無料なので、実質300gのボリュームになります。

価格だけを見れば専門店らしい水準ですが、この内容を含めて考えると、印象は変わってくるはずです。

実際の価格

牛タンハンバーグは平日ランチ1,800円、土日祝とディナーは2,200円です。牛タンハンバーグとA5ランク和牛ハンバーグのセットは平日ランチ2,500円、土日祝とディナーは2,900円。A5ランク和牛ハンバーグは平日ランチ4,200円、土日祝とディナーは4,600円となっています。

どのメニューにもライス、スープ、サラダが付き、わさび・柑橘・大根おろしという3種類の薬味も添えられます。テーブルには塩こしょうとシャリアピンソース・特製ポン酢が用意されています。

セルフコーナーという考え方

セルフサービスコーナーには、ガーリックチップ、ケチャップ、出汁、卵が用意されており、自由に使えます。卵はお一人につき1つ無料です。水やデトックスウォーターも自由に利用でき、ランチタイムにはアイスコーヒーも飲めます。

これも同じ発想の延長線上にあります。お客様自身に動いていただく部分を作ることで、その分を品質に回す。単なるコスト削減ではなく、明確な意図を持った設計です。

グループとしての仕入れの力

価格を支えているもうひとつの要素が、仕入れです。ニクノトモシビを運営するエルファースト株式会社は、伊勢崎市の高級個室焼肉「LAMP」、高崎市の厚切り牛タン専門店「ギュータンベロンチョ」も展開しています。

LAMPでは松阪牛や神戸ビーフといったブランド和牛を一頭買いで仕入れています。グループとして肉と向き合い続けてきた経験と目利きが、各店の品質を支えています。南九州連合枝肉共励会で最優秀賞を受賞した一頭を落札したこともあり、その楯は店内に飾られています。

「高くても行く店」になるために

二極化が進む中で生き残るのは、価格に見合う、あるいはそれ以上の価値を提供できる店だと言われます。そしてその価値は、味だけでは決まりません。

ニクノトモシビでは、各テーブルの鉄板で自分好みの焼き加減に仕上げるスタイルを採用しています。焼く工程そのものが体験になり、薬味やアレンジで味を組み立てる自由もあります。同じ価格でも、受け取る満足感は変わってきます。

専門店だから絞り込める

価格を維持するうえで、メニューを絞っていることも効いています。ハンバーグという一つのジャンルに集中しているため、仕入れる食材の種類が限られ、ロスも管理しやすくなります。

多品目を揃える店では、それぞれの食材に在庫と廃棄のリスクが生じます。専門店であることは、味の追求だけでなく、経営の効率という面でも意味を持っているということです。その効率が、結果として価格に反映されています。

お得に楽しむための使い方

同じメニューでも、時間帯によって価格が変わります。平日ランチが最も手頃で、土日祝とディナーは価格が上がる設定です。コストを抑えたいなら、平日のランチタイムを狙うのが確実です。

ディナーであれば、ハッピーアワーの活用がおすすめです。対象ドリンク全13種が何杯でも1杯200円になります。平日17:30から19:00、土日祝は17:00から19:00までが対象時間で、ハンバーグセットの注文が条件です。ドリンク代を抑えられる分、ハンバーグをワンランク上に変えるという選び方もできます。

誠実にお伝えしたい注意点

ここでご紹介した価格は現時点のものです。食材価格の変動によって、今後変更となる可能性はあります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。

また、券売機での注文が基本となるため、スタッフに口頭で注文するスタイルに慣れた方には最初戸惑いがあるかもしれません。操作に迷った場合は、スタッフに声をかければサポートしてもらえます。

店舗情報とアクセス

ニクノトモシビは群馬県伊勢崎市昭和町1689-4に位置し、20台分の無料駐車場を完備しています。ランチは11:00から14:30(ラストオーダー14:00)、ディナーは平日17:30から21:30、土日祝は17:00から21:30(ラストオーダー21:00)まで営業しており、年中無休です。

よくある質問

なぜ券売機システムなのですか。接客にかかる人件費を抑え、その分を食材の品質に還元するためです。公式にも明言されている方針です。

支払い方法は何がありますか。現金のほか、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済に対応しています。

一番手頃に楽しめるのはいつですか。平日ランチタイムの牛タンハンバーグが1,800円と最も手頃です。

まとめ|削る場所を決めた店の強さ

値上げが続く時代に、A5ランクの和牛を使い、ごはんのおかわりを8杯まで無料で提供し続ける。それを可能にしているのは、どこを削りどこを守るかという明確な判断です。

ぜひ伊勢崎のニクノトモシビで、その仕組みが生み出した一皿を味わってみてください。価格の裏側を知ってから食べると、感じ方も変わってくるはずです。