なぜ炭火だと美味しいのか|遠赤外線が生む「外は香ばしく、中はジューシー」の仕組み

「炭火 なぜ美味しい」「遠赤外線 焼く 違い」と検索しているあなたは、炭火で焼いた肉がなぜ特別に感じられるのか知りたいのではないでしょうか。

群馬県伊勢崎市にある伊勢崎”唯一”のハンバーグ専門店「ニクノトモシビ」は、炭火で焼き上げるスタイルを採用しています。この記事では、その理由を仕組みの面から解説します。

熱の伝わり方には種類がある

まず押さえておきたいのが、熱の伝わり方には種類があるという点です。

ひとつは伝導で、フライパンなど接している面から直接熱が伝わる方式です。もうひとつは対流で、空気や水を介して熱が伝わります。そして三つ目が放射、いわゆる輻射熱です。離れた場所から電磁波として熱が届く方式で、太陽の熱が地球に届くのもこの仕組みです。

炭火の特徴は、この放射による熱が強いという点にあります。

遠赤外線という言葉の意味

炭火を語るときによく出てくるのが、遠赤外線という言葉です。

赤外線は目に見えない光の一種で、波長の長さによって近赤外線、中赤外線、遠赤外線に分けられます。このうち遠赤外線は、物の表面で吸収されて熱に変わりやすいという性質を持っています。

炭が燃えるとき、この遠赤外線が多く放射されます。これが炭火焼きの特徴を生む要因とされています。

表面で熱に変わるということ

遠赤外線が物の表面で吸収されるという点が、実は重要です。

表面で効率よく熱に変わるため、肉の外側は素早く加熱されます。表面のタンパク質と糖が反応して、香ばしい焼き色と香りが生まれます。

一方で、内部まで一気に火が入るわけではありません。外側が先に固まることで、内部の水分や肉汁が閉じ込められやすくなります。これが「外は香ばしく、中はジューシー」と言われる状態です。

ガスとの違い

ガスで焼く場合、熱の多くは対流によって伝わります。燃焼によって生じた高温の気体が、肉のまわりを通りながら加熱していく形です。

このとき、燃焼によって水蒸気も発生します。水分を含んだ熱風が当たることで、表面がやや湿った状態になりやすいという特徴があります。

炭火の場合、燃焼で生じる水分がガスに比べて少ないとされています。乾いた強い放射熱が当たることで、表面がパリッと仕上がりやすくなります。

煙にも役割がある

もうひとつ、炭火ならではの要素が煙です。

肉を焼くと脂が落ち、炭に触れて煙が立ちます。この煙が肉に触れることで、独特の香ばしさが加わります。燻製ほど強くはありませんが、炭火で焼いた肉特有の香りは、この過程で生まれています。

服ににおいが付く可能性があるのは、この煙があるからです。裏を返せば、それだけ香りが立っているということでもあります。

ニクノトモシビが炭火を選ぶ理由

ニクノトモシビでは、各テーブルに設置された鉄板で炭火焼きハンバーグを焼き上げます。公式にも、炭火の遠赤外線効果によって表面はカリッと香ばしく、中はジューシーに仕上がると説明されています。

A5ランクの国産和牛や厳選した牛タンを使い、肉は毎朝店内で挽き、注文が入ってから一つひとつ手で成形。牛肉100%、つなぎなしという作り方です。

良い肉を使い、つなぎで補わないという前提に立つと、焼き方の重要性はさらに高まります。肉そのものの質で勝負する以上、その質を最大限に引き出す加熱方法を選ぶのは自然な流れと言えるでしょう。

焼きすぎないことが大切

炭火の放射熱は強いため、焼きすぎには注意が必要です。特に霜降りの多いA5ランク和牛ハンバーグは、火を入れすぎると脂が落ちてしまいます。

おすすめの方法は、お箸で4等分程度に切り分け、断面を軽く焼く程度に留めることです。表面に軽く焼き色がついたら食べ頃です。

一方、牛タンハンバーグは粗挽きならではの弾力が持ち味のため、中までしっかり火を通してから好みに調整するのが基本です。鉄板に置いた後、スタッフが半分にカットしてくれます。

一度に全部を置かない

もうひとつのコツが、一度に全部を鉄板に置かないことです。

会話に夢中になっているうちに焼きすぎてしまうと、せっかくの肉汁が抜けてしまいます。食べる分だけを鉄板に置き、残りは皿の上で待たせておく。この方法なら、最後の一口まで焼きたての状態を保てます。

結果として、煙の発生を抑えることにもつながります。

五感で確かめられる

炭火の良さは、理屈だけでなく感覚でも確かめられます。

ジュウジュウという音、立ちのぼる湯気、香ばしい香り、焼き色の変化。そしてお箸で割った瞬間に溢れ出す肉汁。これらすべてが、熱の伝わり方の結果として現れています。

目の前で起きている変化を観察しながら焼き加減を決める。この体験ができるのは、自分の鉄板があるからこそです。

自分で焼くという設計

厨房で焼いてから運ばれてくるスタイルでは、テーブルに届くまでに時間が経ちます。せっかく炭火で仕上げても、最良の状態は過ぎてしまいます。

ニクノトモシビが各テーブルに鉄板を置いているのは、この時間差をなくすためと考えられます。焼きたてをそのまま口に運べるという点で、炭火の利点を最大限に活かす設計になっています。

牛タンと和牛で熱の入り方が違う

同じ炭火でも、肉の種類によって適した焼き方は変わります。

牛タンハンバーグは粗挽きで仕上げられており、繊維の粗さが残っています。弾力ある食感を活かすには、中までしっかり火を通すほうが向いています。鉄板に押し当てて焼き色をつければ、香ばしさも加わります。

一方、A5ランク和牛ハンバーグは霜降りが多く、脂の融点が低いという特徴があります。火を入れすぎると脂が溶けて落ちてしまうため、断面を軽く焼く程度に留めるのが賢明です。

同じ鉄板の上でも、素材によって正解が変わる。これを自分の手で調整できるのが、このスタイルの面白さです。

焼きすきでは熱の使い方が変わる

ディナータイム限定の新メニュー「焼きすき」では、また違った火の使い方をします。

A5ランク和牛の肩ロースをまず鉄板で焼き、表面に焼き色をつけます。ここまでは放射熱による加熱です。その後に割り下を注ぐことで、今度は液体を介した加熱へと切り替わります。

焼いてから煮る。熱の伝わり方が途中で変わることで、香ばしさと染み込みの両方が得られます。牛タンハンバーグ・和牛ハンバーグ・焼きすきのセットで3,900円、デザートセット付きなら4,500円です。

誠実にお伝えしたい注意点

遠赤外線や熱の伝わり方については、一般的に説明されている内容をもとに整理したものです。調理科学には諸説あり、条件によって結果も変わります。

また、炭火で焼くスタイルのため、焼肉店と同じように煙のにおいが服に付く可能性があります。

店舗情報とアクセス

ニクノトモシビは群馬県伊勢崎市昭和町1689-4に位置し、20台分の無料駐車場を完備しています。ランチは11:00から14:30(ラストオーダー14:00)、ディナーは平日17:30から21:30、土日祝は17:00から21:30(ラストオーダー21:00)まで営業しており、年中無休です。

よくある質問

炭火だと何が違うのですか。遠赤外線による放射熱が強く、表面で効率よく熱に変わります。外は香ばしく、中はジューシーに仕上がりやすくなります。

焼き方は難しいですか。初めての方にはスタッフが丁寧にレクチャーしてくれます。焼きすぎないことだけ意識すれば大丈夫です。

メニューによって焼き方は変わりますか。はい、牛タンハンバーグは中までしっかり、A5ランク和牛ハンバーグは断面を軽く焼く程度がおすすめです。

まとめ|仕組みを知ると、焼き方が変わる

遠赤外線が表面で熱に変わり、外側を素早く固めることで内部の肉汁を閉じ込める。炭火焼きの美味しさには、きちんとした理由があります。

ぜひ伊勢崎のニクノトモシビで、その仕組みを自分の手で確かめてみてください。理屈を知ってから焼くと、火加減の判断もきっと変わってきます。